SPH粒子法

SPH粒子法を用いたラドル注湯からプランジャ射出工程の流れ解析

鋳造分野におけるコンピュータシミュレーションは、鋳造方案の設計支援、欠陥を予想するために活用されているツールです。近年,ラグランジュ系に基づく粒子法が注目されており,鋳造分野への適応が試みられています。粒子法は従来のオイラー系と異なり計算格子を必要としないため界面の大変形を伴う解析が比較的容易です。ダイカストプロセスには移動境界問題があるため粒子法による解析が適していると考えられます。

本研究では,実際の実験装置をモデル化し,ラドル傾動速度やプランジャ射出速度といったダイカスト条件を変更したラドル注湯からプランジャ射出工程の解析を行います。また,解析と同条件での実験を行うことで,解析により得られた流れ挙動が実現象として得られるかの検証も行います。

これにより、ダイカストプロセスの解析に粒子法を用いるときの計算条件について比較検討を行うことで、解析を用いたより適切なダイカスト条件の探索手法を確立することを目指しています。

SPH粒子法を用いた流れ解析の様子

SPH粒子法を用いたフィルタの流れ解析

一般的に鋳造用フィルタは、整流効果や介在物の除去に効果があると言われています。しかしその効果は、実際に使用してみて効果を確認した結果であり、溶湯金属がフィルタ内をどのように流れ、いかなる効果を発揮するかという定量的な評価がほとんどされていません。

そこで本研究では、溶融金属を用いて可視化実験を行い、フィルタの前後の流れに着目し実験を行います。また、SPH粒子法ソフトウェアを用いたシミュレーションを行い、実験結果との比較検討を行います。

フィルタはストレーナー、ハニカム、フォームフィルタの三種類を使用し、フィルタ前後の流れからフィルタの定量的な評価をすることを目指しています。

フィルタ(2)   

三種類のフィルタとSPH粒子法を用いたフィルタの流れ解析